最強の事業家集団「リクルート」が構築しているお互いに仲間として応援し助け合う文化や環境のイメージ

最強の事業家たちが集まる「リクルート」~なぜ多くの起業家・事業家を輩出し続けるのか?

最強の事業家集団「リクルート」が構築しているお互いに仲間として応援し助け合う文化や環境のイメージ

「ホットペッパー」「じゃらん」「SUUMO」「リクナビ」「ゼクシィ」「タウンワーク」など日常生活の中で触れる数多くのサービスを世の中に提供しているリクルートホールディングス。

創業者の江副浩正(えぞえ ひろまさ)氏が1960年に創業し、事業を大きく変遷させながらも新ビジネスを次々に生み出し、今では数百のサービスを展開しています。
ここ10年の売上も約3倍に伸びている最強の企業です。

そんなリクルートですが、様々な二つ名で呼ばれることでも有名です。

  • 起業家や事業家たちの集まり
  • 人材輩出企業
  • 起業家養成企業

リクルート出身で独立起業する経営者が多く、様々な分野で活躍していることからこう呼ばれています。

リクルートはなぜ多くの起業家・事業家を輩出し続けているのでしょうか。
最強の事業家たちの集まりと呼ばれるようになった株式会社リクルートホールディングスについてご紹介します。

様々な業界で活躍するリクルート出身の経営者

リクルート出身で活躍されている方は様々な業界に本当に数多くいます。

その中でも経営者と活躍している人を数名挙げると、以下のような方がいます。

  • 宇野康秀氏(USEN-NEXT HOLDINGS代表取締役社長CEO、インテリジェンス創業者)
  • 井上高志氏(LIFULL創業者)
  • 経沢香保子氏(トレンダーズ創業者)
  • 江幡哲也氏(オールアバウト創業者・代表取締役社長兼CEO)
  • 平尾丈氏(株式会社じげん創業者)

他にもたくさんの方が様々な分野で成功されています。

なぜ多くの起業家や社長がリクルート出身で活躍されているのでしょうか。

採用を何よりも重要視

創業者の江副氏は、取締役会よりも新卒面接を優先したり、理工学系の学生を大量に採用するためにスーパーコンピューターを購入したりと採用にかけるエピソードがとんでもないです。

「20年後のリクルートの社長」をとるという前提で行われる人材の採用にかける情熱は途方もないエネルギーだったとのことです。

現在も採用の段階で、慣習や常識にとらわれず、看板に依存することなく主体的に仕事をつくりだしていく人材を採用していることが、リクルート出身者に起業する人が多い理由の一つでもあると思います。

起業家精神を育む社内制度

リクルートには社員がトップとして事業に取り組むことができる制度が整っています。

PC制度

以前、リクルートではプロフィットセンター制度(PC制度)というものを運用していたとのことです。

これは社内企業のようなもので、社内にプロフィットセンターをつくり、そこのセンター長を社長として権限を委譲する制度です。

収益に合わせて報酬も上がり、事実上の経営者としての経験をすることができます。

このPCが多い時には数百個あったとのことです。

新規事業提案制度・リング

社内で新規事業の提案を行うことができる制度で、全ての社員が参加できる制度です。

毎年、約1000件の新規事業が全社から提案されて、承認された提案がビジネスの挑戦権を得ることができます。

実際に事業化した際には社内の専門家が徹底的にサポートし、儲かる事業へと花開かせて行くことができます。

社内のこういった制度によって、社員一人一人が起業家精神を育む機会が豊富にあることが起業家を生みだす理由の一つになっていると思います。

リクルートには企業文化を表す言葉がいくつかあります。

「圧倒的な当事者意識」
「君はどうしたいの?」
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」

様々な制度と企業文化によってチャレンジを容認、推奨する土壌が起業家精神を育んでいるのではないでしょうか。

リクルート出身のOB・OGのネットワーク

リクルートでは退職者のことを「卒業生」や「元R」と呼んだりとOB・OGのネットワークが強固であることが有名です。

同じ企業文化でチャレンジしてきた人同士で、お互いに協力し仲間として助け合うということを大切にしているとのことです。

世界三大商人とも言われる華僑の商売のように、それぞれが独立企業し、資本関係や利害関係はなくても、お互いに仲間として応援し助け合う文化や環境は、まさに最強の事業家たちの集まりであると思います。

まとめ

最強の事業家集団「リクルート」が重要視している採用や社内制度についてのMTGのイメージ

世の中に新たなサービスを次々に打ち出し続けているリクルートですが、そのサービスの多くも社内の制度や企業文化によって生み出されていると感じました。

そして多くの起業家や事業家が輩出されている理由も同様で、社内で数多くのチャレンジをし起業家精神が育まれていくことが、リクルート退社後のキャリアにも大きく影響していると思います。

何よりも、社員だけでなく、卒業生を含めて、分野を超えて仲間として応援しあっている文化こそが、最強の事業家たちが集まるリクルートをつくり上げているのだと思います。

株式会社リクルートホールディングスの概略

社名株式会社リクルートホールディングス
創業創業 1960年(昭和35年)3月31日設立 1963年(昭和38年)8月26日
本社(登記上本店)東京都千代田区丸の内1丁目9番2号
従業員数136名(2022年3月31日時点)
グループ従業員数51,757名(2022年3月31日時点)
グループ企業数連結子会社 271社 関連会社 8社(2022年3月31日時点)
資本金400億円(2019年6月20日より)
連結売上収益28,717億円(2021年4月1日~2022年3月31日)
連結営業利益3,789億円(2021年4月1日~2022年3月31日)