アメリカ最強?世界で活躍する起業家が集まっていた事業家集団「ペイパルマフィア」
「ペイパルマフィア」(PayPal Mafia)という言葉をご存知でしょうか?
以前、別の記事でも紹介しましたが、ペイパルマフィアは、ペイパルの共同創設者や初期の従業員たちによって構成されるグループです。
彼らは、ペイパルがeBayに買収された後、成功したビジネスキャリアを築いています。このグループには、ピーター・ティール、リード・ホフマン、イーロン・マスク、マックス・レヴチンなどが含まれます。
イーロン・マスクなど世界で活躍するペイパルマフィアの起業家たち
ピーター・ティールはネット決済サービス「PayPal」の創業者であり、ペイパルマフィアのボスです。さらに、トランプ政権の顧問だったということもあり、アメリカの影の大統領とも呼ばれています。
リード・ホフマンはインターネット上で世界最大のプロフェッショナルネットワークの「LinkdIn」を大学時代の同僚などと一緒に立ち上げました。
イーロン・マスクは日本人でも名前をよく聞く天才起業家です。日本人でもイーロン・マスクをよく知る理由の一つとして、東日本大震災の被災地の福島県相馬市に25万ドル、大規模の太陽光発電システムを寄贈したからだと思います。
イーロン・マスクは、PayPalの成功、宇宙開発事業の立ち上げ、自動車業界への参入、最近では、Twitterの買収など、事業は多岐にわたっています。
マックス・レヴチンは多くの企業を共同経営者として立ち上げています。
世界で活躍する起業家が集まっていた事業家集団ペイパルマフィアの成り立ち
ピーター・ティールはWindows 95が発表され、世間がインターネットブームに沸いているときに、金融業界に精通していることを活かして、電子決済市場に目をつけました。
ピーター・ティールはマックス・レヴチンとともに「Confinity」という会社を立ち上げました。Confinity inc. は PayPal Inc.の前身となる会社です。設立の翌年、1999年には正式にブランド名を「PayPal」として、数ヶ月で100万人を超えるユーザー数を獲得しました。
この時点では、PayPalが電子決済市場において、独占状態でした。
しかし、強力なライバル会社が現れました。1999年に天才起業家のイーロン・マスクが創業した「X.com」もPayPalと同じく電子決済サービスを提供していました。
PayPalとの違いは、銀行免許を持っているので銀行口座を開設できるというところです。
X.comはPayPalが提供しているサービスを徹底して追いかけてきました。
ピーター・ティールは競争や対決を徹底して嫌うという性格でもあったためか、なんとX.comとの合併を発表し、業界に激震を走らせました。
ピーター・ティールはライバルと手を結ぶことで、電子決済市場を圧倒的に制圧し、銀行免許という強みまでも手に入れました。
さらに、イーロン・マスクという天才起業家の戦力までも手に入れました。
しかし、イーロン・マスクの独裁的とも思える経営で、社内が混乱しはじめました。
一つの例として、イーロン・マスクは圧倒的に有名だったPayPalのロゴを、X.comに変えようとしました。
その結果、わずか6ヶ月でイーロン・マスクはCEOを解任され、代わりにピーター・ティールがCEOに就任しました。
当時、電子決済サービスと相性がいいネットオークション市場をを独占していたのが、「イーベイ」です。PayPalはイーベイユーザーの多くに決済手段として利用されていました。PayPalの売上の60%はイーベイ経由で、PayPalはイーベイに依存していたこととも捉えることができます。
一方、イーベイは「ビルポイント」という独自の決済システムを提供していましたが、ペイパルを快く思っていませんでした。
イーベイに依存していたPayPalは、イーベイに見放されたら経営危機に陥るほどでした。
そんな2002年7月にイーベイはPayPalの買収を発表しました。その売却額は15億ドル(約1800億円)です。
起業家精神にあふれるPayPal社員たちは、イーベイを退社し、売却益をもとに多くの事業を立ち上げました。
その事業が、テスラ、スペースX、LinkdIn、YouTubeなどです。
PayPalがなかったら、誕生していなかったかもしれません。
こうして誕生したのが、ペイパルマフィアです。
ペイパルマフィアが今後の世界にも影響を与える
いかがでしたでしょうか。
ペイパルマフィアは、シリコンバレーの起業家精神を象徴するグループとして、広く知られるようになりました。ペイパルマフィアのメンバーたちは、ペイパルの成功によって得た経験や知識を活かし、新しいベンチャー企業の創設や投資、起業家を支援する活動などを行っています。
「ペイパルマフィア」のおかげで、私達は大きく進歩していることがわかります。
「マフィア」と聞くとイメージはあまり良くありませんが、ペイパルマフィアの方々が残した結果は素晴らしいものだと私個人は考えています。
言葉のイメージは悪いが、結果として私達の生活の中に取り入れられているものが多くあるかもしれませんね。