事業売却で成長する事業家集団「IdeaLink株式会社」と創業者・島袋直樹氏の戦略とは?
全員が事業家としての意識を持ち、事業を作り、事業を成長させ、事業を引き継いでいく、そんな使命感のもとに事業展開をしている会社があります。
自ら事業家集団と名乗り、WebコンサルティングやD2C支援事業を行っている「IdeaLink株式会社」(アイデアリンク)です。
IdeaLink株式会社を語る上で外すことができない存在が創業者である島袋直樹(しまぶくろなおき)氏です。
今回は、島袋直樹氏が「事業を作り、成長させ、引き継ぐ事業家集団」としての文化を創りあげてきた背景に注目してみようと思います。
事業を作り、成長させ、引き継ぐ事業家集団「IdeaLink株式会社」の創業者・島袋直樹氏の経歴
まず、島袋直樹氏のモットーは、「事業は創って売る」だそうです。
実際に、二回、上場企業に事業を売却しており、シリアルアントレプレナー(連続起業家)としても知られています。
そんな島袋直樹氏の略歴は、下記の通りです。
- 2004年:大阪産業大学 卒業
- 2008年:バリュークリエーション株式会社設立
- 2016年:Idealink株式会社設立
- 2016年:株式会社美元を設立
- 2018年:ベンチャー企業向けM&Aサイト「M&A BANK」設立
- 2019年:シンガポールに移住
連続起業家と聞くと、順風満帆なイメージがありますが、実際のところはそうでもないようです。
2016年に、バリュークリエーション株式会社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を設立した際には、かなりお金が無かったようです。
当時の年収は60万円。月収ではなく年収です。
島袋直樹氏がシリアルアントレプレナーとなり、事業売却で成長する事業家集団となった理由
島袋直樹氏は、IdeaLink株式会社を設立するまでのプロセスで、比較サイトや通販サイト等、複数の新規事業を起ち上げては失敗することを繰り返しながら、ノウハウを構築していったようです。
例えば、以下のようなノウハウです。
- 商品を扱うならば、質の良いものを作ることや、マーケットのルールを把握しておくこと
- 事業を展開するためには、効果的なインフラを構築すること
- 初期段階において、事業の方向性や事業計画を明確にすること
- 新規事業には成果にコミットする専任を作ること
「新規事業のために専任を作る」ことの具体例として、現在、年収チャンネル等で活躍している株本 祐己氏を、バリュークリエーション株式会社のインターンとして招き入れたことが挙げられます。
そんな島袋直樹氏が、連続起業家、そして、事業売却で成長する事業家集団として文化を育むまでに、複数の新規事業を起ち上げようと考えた背景には、いくつかの理由がありそうです。
まず、新規事業は起ち上げてから回収するまでに時間がかかる場合が多いこともあり、大きく回収する1本の事業を起ち上げるために、複数の事業を立ち上げていくことを大事にしてきたそうです。
そして、経営を通じて心の安らぎと豊かさを持つことや仲間と一緒に勝つことを、事業売却を通じて知ったということも、理由の一つとしてあるように思います。
ちなみに、島袋直樹氏が事業を売却しようとした経緯としては、自分的には将来性がないと思っていた事業が、自分の予想以上の金額で売却できることを知り、売却に至ったそうです。
2018年には、島袋直樹氏は、著書「会社は伸びてる時に売りなさい」も出版しています。
また、事業売却の際には、一緒に事業を作ってきた仲間にも利益を還元するために、「事業売却型特別賞与」というものを作ったようです。
実際に、「フランチャイズの窓口」、「クレジットカード比較サイト」のWEB サイトを、シェアリングテクノロジー社(東証マザーズ:3989)に、会社分割で売却した際の売却益2.4億円の10%を社員に還元したとのことです。
これは、通常の利益ではなく売却益ですので、会社の経営上、金銭的に痛まないこともあり、仲間と一緒に豊かになるために事業売却の価値を知ったようですね。
さらには、単に新規事業を起ち上げ、売却するだけではなく、IPOを目指す中で、より健全に会社を成長させることが社会において貢献できると考え、事業を成長させ、引き継ぐことを大切にするようになったのだと思います。
これらのことが継承され、事業売却で成長する事業家集団としてIdeaLink株式会社の文化が作られたように思います。
IdeaLink株式会社の概略
社名 | IdeaLink株式会社 |
創業 | 2016年2月 |
設立 | 2017年12月 |
東京本社所在地 | 東京都渋谷区恵比寿四丁目20番4号 恵比寿ガーデンプレイス グラススクエアB1F PORTAL POINT -Ebisu- G8 |
事業内容 | Webコンサルティング事業 D2C支援事業 前各号に附帯関連する一切の事業 |
役員 | 代表取締役/CEO 阿部 俊介 取締役/COO 鈴木 峻太 取締役/CCO 亀岡 歩美 取締役/CSO 佐藤 周吾 |
IdeaLink株式会社が事業売却で成長する事業家集団になった背景にある島袋氏の想いと現在
IdeaLink株式会社の創業者である島袋直樹氏がどのように、事業売却で成長する事業家集団としての文化を育んできたのかについて検証してきましたが、いかがだったでしょうか?
なお、現在、島袋直樹氏は、「Wellness X Asia」(ウェルネスエックスアジア)というフィットネスジムのフランチャイズ経営やコンサルタントを行う会社の代表取締役になっています。
事業売却というと、日本では、あまり印象が良くないイメージでしたが、その背景や創業者の仲間と一緒に豊かになるという想いを知ると、新しい見方が出来るようになったように思います。
新規事業の立ち上げにチャレンジし、失敗し、そこから学ぶことを何度も繰り返し、ノウハウを構築、そして、次の事業へと継承していく。
再現性を大事にして、社会貢献と共に次世代を育む文化にたくさんの気付きを得ました。
これから事業の立ち上げに挑戦しようとされている方、そして既に挑戦中の方等、多くの方のお役に立てたら幸いです。